</p> 「おい、チビ。今度(こんど)は山(やま)へ登(のぼ)って、薪(まき)を五(ご)、六本(ろくほん)とってこい。」, S* Q+ f# c, J
「たったの五(ご)、六本(ろっぽん)ですか?なぜ、山(やま)の木(き)を束(たば)に抱(かか)えて持(も)ってこいと言(い)わないのですか?」
% p. n7 L0 D4 I) e& N3 Z 「なんだと、山中(やまじゅう)の木(き)を束(たば)にだって?」/ ` v; r, A; }8 o7 V' `
大入道(おおにゅうどう)は、目(め)を丸(まる)くしました。
V9 [8 h7 D T! h$ w 仕立(した)て屋(や)さんは偉(えら)そうに手を振(ふ)って、薪(まき)を取(と)りに行(い)きました。5 Q" V( w0 ^5 ]3 c! L6 w! m# t: {( ]
もちろん、薪(まき)は五(ご)、六本(ろっぽん)です。
% N: v; g4 n, l 「おい、チビ。晩(ばん)ごはんのおかずだ。イノシシを二(に)、三匹(さんびき)とってこい。」' w4 x: [+ a* h$ n0 J" i, ]
「たった二(に)、三匹(さんびき)ですか・なぜ、千匹(せんびき)ほどとってこいと言(い)わないのですか?」/ d& w6 Y8 W- ?' A$ Y
大入道(おおにゅうどう)は驚(おどろ)いて言(い)いました。5 C, j& y" K; b! _' \* x; a' u6 h
「人間(にんげん)はとても恐(おそ)ろしい。水(みず)を桶(おけ)ではなく、井戸(いど)ごと。薪(まき)は五(ご)、六本(ろっぽん)ではなく、山中(さんちゅう)の木(き)だと言(い)うし、おまけにイノシシは二(に)、三匹(さんびき)ではなくて、千匹(せんびき)だという。もしかして人間(にんげん)は、とても強(つよ)い生(い)き物(もの)なのだろうか?…おおっ、おそろしい。どうしたら、あいつを追(お)い払(はら)うことかできるだろう。」$ ~! L% T" _ t: O9 y5 p4 Z
大入道(おおにゅうどう)はその晩(ばん)、仕立(した)て屋(や)が怖(こわ)くて眠(ねむ)れませんでした。: ^2 F- i6 c- R' G, M; k. _+ I
そのうちに、夜(よ)が明(あ)けました。
) Q+ }8 Z) a: m 「おい、チビ。この柳(やなぎ)の枝(えだ)に乗(の)ってみろ。おまえの力(ちから)で、どれほどしなうか試(ため)してみろ。」
4 b, W: }$ w6 N3 j5 ` 仕立(した)て屋(や)さんは、大(おお)きく息(いき)を吸(す)い込(こ)んで、柳(やなぎ)の枝(えだ)に乗(の)りました。6 i' F% ^* n& T3 u( z
柳(やなぎ)は、弓(ゆみ)のようになりました。
5 Q( N6 L1 z+ s. c9 z+ _7 d けれども、息(いき)を止(と)めて踏ん張(ば)っていることは、つらいものです。& K! P5 Y b; U" ]+ [" k
「プハーッ!」
$ y, [5 L* t+ j" B. t 仕立(した)て屋(や)さんは、大(おお)きく息(いき)を吐(は)き出(だ)しました。
, Z8 F) N8 n1 f( V. ~* U& v. w3 w その拍子(ひょうし)に枝(えだ)は跳ね返(かえ)って、仕立(した)て屋(や)さんは天高(てんたか)く飛(と)んでいきました。5 y: V0 H( z! f4 e( v% H$ G+ @ f
「やれやれ、何(なん)とか人間(にんげん)を追い払(はら)うことができた。」, ^0 H" A% e4 M0 ? d$ ~4 Y
8 p0 @" F \, L4 ^* o3 j それから大入道(おおにゅうどう)は、二度(にど)と人間(にんげん)を捕(つか)まえることはしませんでした。 |