むかしむかし、ある町で、碁会所(ごかいしょ)をやっている老人がいました。0 r4 {$ Z. _. p# M
很久很久以前,在某个镇上,有个开围棋会所的老人。
z" Y' d& X2 C$ ~5 D 碁会所とは、お金を取って碁をうたせるところです。
2 z1 R/ b) F" K% v 所谓的围棋会所,就是拿钱下围棋的地方。
3 e" N: c7 l" `; f: G, v この碁会所に、関ヶ原(せきがはら)に住む男がやってきました。# f( y4 W, n' Y; Z4 K/ N
有个住在关原的男子来这个围棋会所。
8 N, I2 S9 [% O I+ {& A 碁をおえると男がいそいで帰ろうとするので、老人が言いました。「関ヶ原までは、十五里(约六十キロメートル)もある。今からでは、とても今日中には帰れないぞ。夜道は危ないから、一晩ここに泊まって、明日の朝早く帰ったらどうだ?」: d% N* T9 p+ f+ e1 d+ n2 ]/ }+ J
男子下完围棋匆匆忙忙地想回去时,老人说道:“这里到关原有十五里(大约六十千米)。现在回去的话,今天之内是到不了的。而且走夜路很危险,所以今晚在这里住一晚,明天早上再回去怎么样?”
* n0 `9 `& v. t 「いやいや、それがそうもしておられん事情があって」
7 R8 n( |5 F) a5 a Y “不了不了,会有不得了的事情发生的。”
4 u1 V4 u# y8 A- P9 P2 h 「おや?どんな事情が?」# ^; J* a- q; M4 T7 V) h
“呀?什么事情?”" Y/ U9 o. d) W7 p
「それが、今月中に関ヶ原で大火事があるんですわ。大火事は今夜かもしれんし、明日かもしれん。いやいや、もうすでに燃えているかもしれんのです。ですから一刻も、早く帰らなければならないのです」1 J3 [' n6 j |
“那是这个月内在关原会有大火灾。大火灾可能会在今天晚上,也有可能会在明晚。不不,可能现在就已经烧起来了。所以要尽快回家去。”# J. h8 v' o$ m7 g. W, G3 `
それを闻いて、老人や碁を打っている人たちは、おたがいに顔を见合わせました。「ほほう。今月中に大火事があると。しかしなぜ、そんなことがわかるのです?」
% h4 t4 K4 X, n5 [ 听到他这么说,老人和在下棋的人们互相看了看,问道:“呵呵。说这个月内会有大火灾。可是,你是怎么知道这件事的呢?”
9 H( G0 O" `( a, C( u1 t 「はい。それは三年前の事です。村の若い男が山へ木を切りに行って、そのまま行方知れずになってしまったんですわ。いくら探しても见つからんかったが、ある日、山へ入った者が行方知れずの男とバッタリと出会ったんです。そして行方知れずの男に、『みんな心配して探しておったんだぞ。今までどこで何をしておった?』と、たずねると、行方知れずの男はこう言ったそうです。『おらは今、テングにつかえて暮らしておる。テングが、おらを人间界に帰してくれんのじゃ。そうそう、テングが言うには二月の月に、関ヶ原が大火事で焼けてしまうそうじゃ。くれぐれも、用心しておけよ』」, w b p3 h8 K5 s8 O$ e/ `" Q
“是的。这是三年前的事了。村里的年轻男子去山里砍树,然后就不知所踪了。怎么也找不到了。可是有一天,去山里的人突然遇到了行踪不明的男子,就问他‘大家都很担心你,到处找你呢。这期间你去哪里了,去干什么了呀?’行踪不明的男子答道‘我之前在伺候天狗呢。现在天狗把我放回到人间了。对了对了,天狗说二月份,在关之原会有场大火灾。千万要做好准备啊。’”$ C, s- t& E& L2 h' {' ]1 z7 |. G+ \7 M
関ヶ原から来た男はそう言うと、あわただしく帰っていきました。9 L. C. Q: [' Q6 {0 H2 a) C2 o! \
关之原来的男子这样说着就慌慌张张地回去了。
& w, S9 ]0 _6 u6 b さて、二月の最後の日の夕方のことです。「関ヶ原の男がああ言っていたが、二月も今日で终わりじゃ。やっぱり、何もおこらんかったな」碁会所の老人が、西の山に沈む夕日をながめながら言った顷、関ヶ原の西のはしにある家から火が出て、西风にあおられて见る见るうちに燃え広がりました。" ]) h3 @+ P# ~ w' D( n
话说,到了二月最后一天的傍晚了。围棋会所的老人看着西下的夕阳说道:“关之原的男子虽然那样说了,可是今天是二月的最后一天了。还是什么都没发生啊。”正在说着的时候,从关之原的西边一户人家开始着火,受西风影响,眼看着都烧了起来。
8 s7 Y9 h" E" R' C' O そしてたった一夜のうちに、関ヶ原のほとんどの家が灰になってしまったという事です。2 I) C" z$ m0 \
就在这一夜之间,关之原几乎所有的房子都烧为了灰烬。 |