2012年日语阅读：喜欢制作草鞋的贫穷神

会计考友

　　むかしむかし、藤兵衛（ふじへいえい）という、お百姓(ひゃくしょう)がすんでいました。
　　この藤兵衛どん、働いても働いてもくらしはらくにならずに、ふえるのは子どもばかりです。
2 j( B& I3 @1 o% `' M$ F5 }7 A( U4 P　　そのうち、とうとう働く気もなくなってしまいました。
" D& u! C* H$ A0 |, R　　ある年の冬、藤兵衛どんの家では、子どもたちに食べさせるものが、なにもありません。
$ i3 O* p2 P: i& T1 ~' x　　「おっかあ、はらへったよう」
　　「おらもだ、かゆはねえだか」
  @& I% }: V( Q; u; j, J　　「はらへって、ねむれねえだ」
　　子どもたちに口々にねだられても、藤兵衛どんにはどうすることもできません。
: U2 e$ ~5 _! o/ x' F0 i5 [　　「みんな、よく聞いてくれ」
8 k4 A0 q. B9 D) d/ ?4 q9 c　　藤兵衛どんは、子どもたちをあつめて、悲しそうな顔でこんなことをいいました。
" ~; x& ~/ @9 n　　「いままで苦労して、いっしょうけんめい働いてきたが、くらしはいっこうにらくにならん。この冬がこせるかどうかもわからん。そこで、おっかあとも相談したんじゃが、この土地をすててどこかよそにいってくらすことに決めたんじゃ」
) j$ M6 b/ w; y' Q. ?' I　　「それじゃ、おっとう、夜逃げか？」
! f2 u2 a0 A6 H9 J, h( U4 O　　「ま、そういうことじゃな、すまねえな。いま出ていくと人目につくで、明日の朝早うに出でいこうと思っとる」
! }  i7 N* e  z2 n  ^: }$ Z, ^　　その夜、藤兵衛一家は、なべやかまをふろしきにつつむと、まくらもとにおいてねました。
　　ところが、夜中に便所にいこうとした藤兵衛は、なやでなにかゴソゴソとやっている、見知らぬ男に気がつきました。
" e( Q5 E0 `# R, [　　「おまえはだれじゃ？」
　　「おや、まだ起きとったかね？　わしゃ、貧乏神(びんぼうがみ)じゃ」
　　「び、貧乏神じゃと？」
　　「そうじゃあ、長いことこの家にいさせてもろうた」
　　「そ、それで、こんなところでなにをなさっている？」
1 k" J! ?8 f6 |0 O2 U; S6 H# {　　「この家の者が、明日の朝早くに、ここからにげだすっちゅうんで、わしもいっしょに出かけようと思ってのう。ほんで、こうしてわらじをあんどったんじゃあ」
　　と、貧乏神は、あみかけのわらじを見せました。
　　「それじゃ、この家から出ていくというのか？」
　　「そうじゃあ。またつぎのところでも、仲良うしてくだっせえ」
　　「なんじゃあ、それじゃあ、わしらについてくるちゅうだか？」
" R$ t# A4 v" m  a  Q7 }) n9 Z. y, G　　「そういうことじゃ」
　　藤兵衛は、あわてて家にかけもどると、かみさんを起こしました。
, _/ H! E& P; B+ P　　「た、たいへんじゃあ。起きろ！」
2 u1 r/ \' }( J0 _. G　　夜中にたたき起こされたおかみさん。ねむい目をこすりながら。
　　「どうしたね、なにをねぼけておる」
/ {; H5 g2 N  f9 k% ], r9 o3 D+ h　　「び、貧乏神じゃ。う、うちのなやに貧乏神がおる」
　　「貧乏神が？　それでうちは、いつになってもくらしむきがようならんかったんか」
  q: w& l" }1 S" _7 Q2 d7 M　　「うん、うん。そうじゃな」
) \+ n, }: M, l3 O7 k　　「でも、いいでねえか。おらたちはこの家を出ていくんだから。貧乏神さまだけのこってもらえば、おらたちはこれかららくになるでねえか」
; o& }. x& c/ L* d. ~% s2 x7 Z　　「それがちがうんじゃ！　わしらについてくるっちゅうだ！」
: O0 W& A. a  P8 ~4 c  j% L: [, o　　「えっー！　ほんなら、おらたち夜にげしても、なんもならんでねえか」
　　「そういうことじゃなあ」