短篇欣赏：風の又三郎 宮沢賢治

会计考友

　　風の又三郎　　　　　宮沢賢治
　　どっどど　どどうど　どどうど　どどう
. i5 ^' q2 V3 G1 Z$ d, {　　青いくるみも吹きとばせ
　　すっぱいかりんも吹きとばせ
! o: a+ M; ]' ?, L; D　　どっどど　どどうど　どどうど　どどう
3 D9 ^+ J$ f( O2 X; U- x9 Q! R　　谷川の岸に小さな学校がありました。
　　教室はたった一つでしたが生徒は三年生がないだけで、あとは一年から六年までみんなありました。運動場もテニスコートのくらいでしたが、すぐうしろは栗の木のあるきれいな草の山でしたし、運動場のすみにはごぼごぼつめたい水を噴く岩穴もあったのです。
& Z1 e8 b2 n* E7 [8 A3 a8 z　　さわやかな九月一日の朝でした。青ぞらで風がどうと鳴り、日光は運動場いっぱいでした。